湖畔からの発信 不動産鑑定士 村木康弘のひとり言
2015.04.04
不動産よろず相談所 個人向け不動産アドバイザリー業務(3)
4.カウンセリングの要諦
一つ目は聞き方である。何といっても、じっくりと相談者の話を聞くことに始まる。できるだけ話は遮らないようにしながら、悩みの本質に迫るよう適切な質問を投げかけていく。言葉を交わしていると次第に論点が整理されてきて問題の本質が浮き彫りになってくる。話を聞くにもテクニックがあって、丁寧に話を聞くとそれだけで満足する方もいる。
二つ目はノウフー(Know-Who)データベースを持つことである。多岐にわたる不動産リスクの全てに精通し即座に的確なアドバイスを行うことは神業で、一人では難しく、少なくとも私にその能力はない。必要なのは論点を整理し、それぞれの問題に精通した専門家が誰であるかを知っていること。それぞれの分野に長けた信頼できる実務家との協力関係を構築しておくことである。辞書に例えるなら目次は頭に入っていて、各項目の総論は整然と話ができるレベルにしておき、自身の専門分野以外の各論はその専門家に任せると言ったイメージである。と言っても大方のことはその場で整理し方向性を示すことができなければ相談者から信頼は得られないのだが。
不動産に関するリスクの整理(Know)と誰が詳しいか(Who)を知り、自身の人脈でノウフーデータベスが構築されていることが欠かせない。