湖畔からの発信 不動産鑑定士 村木康弘のひとり言

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2015.04.01

民法改正と住宅ファイル制度

政府は、31日の閣議で、民法の債権や契約の分野の改正案を決定した。明治29年の民法制定以来の大改正で、5年前から議論されてきた。不動産に関連する部分では、改正案では、賃貸住宅の敷金返還のルールを明記し、借り手の故意や過失でできた傷や汚れなどの分を除いて、敷金は原則として返されるとしている。また、消費者が買った商品に欠陥や傷が見つかった場合、売り手に対し、損害賠償や契約の取り消しのほか、商品の修理や代金の減額を求めることができるようにするとしている。

これに関連して不動産の売買契約等が変更されていく可能性があります。従来日本の民法は「規範重視」の流れをくんできましたが、「当事者の合意・契約を重視する」流れができてくるようです。住宅の取引に際しては、売却する建物がどのような物件であるのか売主の告知書が重要になるってくるでしょう。買主は購入する物件が告知書どおりの状態か否かを見極めて決済することになるでしょう。よって、このような流れの中で、住宅ファイル制度についての理解も深まっていくことと期待しています。

2015.03.30

中古住宅市場活性化ラウンドテーブル

国土交通省の中古住宅市場活性化ラウンドテーブル報告書が取りまとめられました。

中古住宅市場活性化ラウンドテー  報告書 
中古住宅市場活性化ラウンドテーブル  報告書 附属資料

中古住宅市場活性化ラウンドテーブルとは、中古住宅・リフォーム市場の拡大・活性化に向けた基本的方向や取組課題を共有することを目的に、不動産取引実務・金融実務の関係者が一堂に会し、率直かつ自由な意見交換を実施する場として、平成259月に設置されたものです。
この2年間で本会合を計4回、実務者クラスによる作業部会を計12回開催し、

論点1 中古住宅の建物評価改善等の取組を中古住宅流通市場と金融市場に定着させるための方策
論点2 高齢化・ストック社会を見据えた中古住宅関連金融商品のあり方

などについて議論が重ねられてきました。

私は、近畿不動産鑑定士協会連合会の住宅ファイル制度推進委員会の委員長という立場で作業部会に出席させて頂き、日本鑑定士協会連合会が提唱する「住宅ファイル制度」について提案してきました。
また、平成26年度の国交省の補助金事業である「多様な消費者ニーズに対応した中古住宅取引モデルの検討」に参画しています事業者連携の枠組み「近畿不動産活性化協議会」の住宅ファイル部会長として住宅ファイル制度の試行の報告を行いました。

中古住宅市場活性化というキーワードには「中古住宅の流通量と市場規模を増やすこと」、「住宅投資累計額に対して現在の住宅資産総額は約500兆円目減りしている実状を如何に変えていくか、建物評価と取引慣行の問題」、「空家問題、地方創生」といった論点が盛り込まれていますが、「住宅ファイル制度」はこれらの論点を解決するスキームの提案です。

民法改正を受けて不動産取引の実務も変わっていくと思いますが、従来のように20年程度で建物価格がゼロとなる慣行を改め、建物の仕様・維持管理の状態を適正に評価されるよう、不動産鑑定士として汗をかいていきたいと思います。

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